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2010年5月8日

新中学1年生指導9

中学1年生にコミュニケーション指導はどのような基準で実施すればよいでしょう。新学習指導要領外国語活動での中学1年生の言語活動の目標は「小学校における外国語活動を通じて音声面を中心としたコミュニケーションに対する積極的な態度などの一定の素地が育成されることを踏まえ,身近な言語の使用場面や言語の働きに配慮した言語活動を行わせること。その際,自分の気持ちや身の回りの出来事などの中から簡単な表現を用いてコミュニケーションを図れるような話題を取り上げること。」とあります。

外国語学習への積極的な態度・興味を前提としています。コミュニケーション活動を行う際には最も基盤となる要素で、積極的な感心がなければ、コミュニケーションの道具としてその言語を使う意欲は生まれません。それには、生徒の知的興味や関心を惹き付ける授業展開が必要です。

キーポイントは英語と日本語との明確な相違を初期段階で指導することです。その方法は常に日本語との対比で行います。相違点の第一は音声でした。音声での比較指導については、すでにこのブログで紹介してあります。(今後、小学校英語活動で音声指導が定着すると、中学校での指導は楽になります。)

初期段階で指導すべき第2の相違点は、文の構造です。

文法の分類で言うと、統語論に分類される語順の問題です。

日本語と英語の語順の違いを明確にし、英語は語順を違えると意味を成さないことを例を示して、説明することです。

例)「太郎は手に本を持っている。」と「手に太郎は本を持っている。」と言う日本語表現は伝わるニュアンスの違いはありますが、語順が変わっても大意は変わりません。両方とも正しい日本語です。

しかし、英語で、Taro has some books in his hands.を In his hands some books has Taro.
と置き換えることは不可能です。なぜなら、英語は語順が固定されているから、その順番を変えると英語では無いということになります。

これを抜きにして、クラスルーム英語を指導しても意味がありません。英語を駆使する技術が未熟な先生が Hello. How are you, everyone? Oh, I’m fine too, thank you. Open your textbook to page 15. などと言う部分のみを英語で行って、Communicative Approachでの指導などと嘯くようでは、子どもたちに英語学習の指導などできないばかりか、英語への興味を失わせて、肝心は基礎体力をつけることはできません。


小学校英語指導に関しては、メールマガジン「小学校英語『指導の達人への道』」 浅井正美
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次回は5月12日(水曜日)発行です。

2010年5月5日

新中学1年生指導8

フォニックス指導は部分技能のトレーニングです。知識として全てを網羅する必要はありません。中学生ですから、一定のルールと例外があることを認識すればよいので、具体的にどのようなルールであるかが体得できるレベルで一端は打ち切り、その後は、発音上押さえておきたいルールが登場したときに紹介と練習を行うのがよいでしょう。


中学生は、いつまでのワンパターンでモノトーンの授業を嫌います。若者は自らの体細胞も活性しているので、授業も先生も生徒以上に活性していなければ、飽きてしまいます。せっかくの優れたメッソドも学習者が飽きてしまっては役に立ちません。

この意味でフォニックスルール指導の第一段階はこの次のステップである、サイレントEまでで一段落でしょう。

このルールは3文字単語が読めることが前提でスタートします。 例)mat は読めます。この語尾に(e)を置いて、mateになるとそれまでのルール読みでは「マテ」となります。

しかし、最後についたeは別名magic eと呼ばれ、tの前にある母音に影響を及ぼします。aを短母音ではなく、本来の音すなわち二重母音のei という音に戻すのです。そして自分自身は音を持ちません。

まあ、a に魔法をかけたので力尽きて音を失ったという説明がわかりやすいでしょう。

それでmateはmeit メイトという音になるというルールです。これを音なしのE(サイレントE)のルールと呼びます。cut は cute tub は tubeなどのようになります。

ここで関連単語を数多く発音練習をして、つづりのルールを体得したら、フォニックスルールの授業での集中学習はいったん終了です。



次号は5月8日(土曜日)発行です。

浅井正美 twitter で情報発信中
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2010年5月3日

新中学1年生指導7

フォニックスのトレーニングはスタートしてみましたか?


フォニックスルールを知っておくことは、大変に役立ちます。中学校で登場する単語の70%はこのルールを知っておくことで読むことができます。

また全てがルール通りにはいかなくても、ルールを知ることは例外も正しく認識できることになります。

特にそれぞれのアルファベット文字をフォニックスアルファベットとして「音」読みができるようになることで、どうして英語はアルファベットの読みと単語の読みが異なるのだろうか、という疑問を解決することができます。

多くの中学校英語教師はこの点の勉強不足や知識欠如があり、子どもたちの疑問に答えずに、通りすぎてしまう傾向があります。塾の講師の大半もそうです。

これが原因で英語嫌いになる生徒がいかに多いかを知っていると、入り口での音のルールをしっかりと指導することの大切さは理解できると思います。

クラス全員がフォニックスアルファベットを体得することが第一です。次に2文字(短母音+子音)の組み合わせでの発音を学びましょう。et, at, ut などです。
そしてこの時にアクセント(強勢)をつけることも生徒が体得できるように指導しましょう。

方法は幾度も練習を繰り返すことですが、この際にも、先生が主導的に模範を示してください。

次に(子音+短母音+子音)の3文字単語(pet, bed, cat, hat, cut, nutなど)を生徒がしっかりとアクセントをつけて発音できるようにしてください。



次回は5月5日(水曜日)に発行します。