ページ

Powered By Blogger

2010年2月15日

英語が嫌いになる前にハート3

今回は“It ~ to”の構文の説明を聞いていて、「これも大きな問題だな。」と思ったことをお知らせいたします。

板書には It's 形容詞 for 人 to 動詞と書かれていました。

私が問題と思った点は「形容詞」という用語です。

英語の世界では確かにadjective「形容詞」が入ります。
しかし、指導を受けている中学生は少なくとも国語の文法で necessary=「必要な」「必要だ」は形容詞とは学んでいません。国文法では形容動詞です。

英語には逆に形容動詞という品詞分類がありません。外国人が日本語を学ぶときには、「い」形容詞と「な」形容詞という分割をするくらいです。

英語の先生は学習者の既習知識を全く無視して学習者に日本語に翻訳された英語表記でも文法用語を用いる傾向にあります。まずは彼らの既習知識を知ることと学習者がどのように説明されればよく理解できるかに焦点を定めれば解消するでしょう。

この場合もadjectiveの日本語訳である形容詞として一括で説明してしまいますが、百歩譲って「It is (a)」という表記にすることも良いですが、知識としてそのような品詞を学ぶ必要は無いので、「It is 様子・状態 to 」とか、「It is どんなだ」という表現と説明を使ってあげる方が、学習者にとっては親切ではありませんか。

英語指導者はとかく文法用語というか「品詞」「要素」に関わる用語を多用します。
板書が楽だからなのでしょうか? 
しかし、英語と日本語は全く異なる言語です。言語間の距離が最も離れている言語といわれています。だから文法用語一つ、単語一つにしても「一対一対応」をさせてはいけないのです。

英語を指導する教師や塾講師は国文法、国語と英語、英文法を比較対象できるように、準備する必要があります。塾用の教材や学校問題集などは未だに文法訳読法から進化していませんので、それに従っていれば指導方法で矯正するしかないのです。

中学1年生の時点から英語嫌いが発生する原因は英語自体に責任はありません。
英語をどのように指導するかに大きく関わります。コミュニケーションを指導するのが語学を指導する私たちの役目です。是非、その点を踏まえて、様々な研究授業と実践の中から、子どもたちが最も学びやすい指導法を磨きませんか。

次回からシリーズで英文法(広義)指導についてヒント集を書いていきます。