2009年の全国学力テストの際に実施した中学生意識調査で全教科の中で英語が一番好きと回答した生徒は数学についで第3位であった。ちなみに1位は技能系の4教科のいずれかである。したがって単独教科で考えると数学が一番好きであり、英語は幸いに第2位となる。しかも社会に出たときに役立つ学習と回答した中学生は85.6%で、数学の54.3%に比べて高い数値が出ている。そのままこの数字を捉えると英語はそれほど嫌われているわけではないし、大半の中学生が将来役立つ学習科目として認識していることがわかる。
それならば尚更、英語学習を楽しく身につけていくことが重視される。英語は実はとても簡単なルールから成り立っている言語である。数学や理科のように知識の積み重ねが土台となって理解度が高まる教科ではない。その時に出てきた表現や語彙をしっかりと覚えているだけで、ある程度の領域は理解できる。クレヨンでは絵が上手く描けないからと言って、水彩画が描けないということわけではないのと同じかも知れない。
それをことさら難解な文法用語を用いて、文法の一部のみを指導して悦に言っている先生がいけない。相当数の先生が英語の効果的な指導方法を開発し、身につけ、実践しようとしている中で未だに一つの文法用語が理解できなければ全体を掌握できないような指導をしている。
これは学校ばかりでなく、学習塾でもよく見られる。否、却って学習塾のアルバイト講師の方が問題が多いかもしれない。
先日もある学習塾で It ~ to の構文を指導しているときに、ある大きな問題を発見した。
次回はこの続きをお伝えして、英語の先生が陥りやすい罠について説明しよう。